VENTILATION換気について
換気の大切さ

01コロナと換気
コロナウィルスの対策の基本は3密を避けること。その中でも換気が重要だといわれています。気体中に浮遊する微小な液体又は個体の粒子と周囲の気体の混合体をエアロゾルといい、5µ㎜以上のエアロゾルを「飛沫」それ以下のものを「飛沫核」と呼びます。最近の知見では飛沫、飛沫核はある時間空気中を漂うことがわかっています。
2020年3月17日、米国立アレルギー感染症研究所が明らかにしたのは、新型コロナウィルスのエアロゾル化について、限定空間内で一定時間浮遊すること、エアロゾル化した後、空中で3時間は生き残るという見解を出しています。

02 住宅の気密性
現在の住宅の多くは「気密性」が高く、汚れた空気が部屋の外に出にくくなっています。高気密な住宅では、換気をしないで閉め切った状態では、ウィルスなどで汚れた空気が部屋の中にたまっていき、感染してしまう危険性が高くなります。
コロナウィルスの蔓延により、換気の重要性が取り上げられています。
厚生労働省は2~3時間に1回窓を開けるように指導していますが、皆さん実行できているんでしょうか?今年の様な猛暑の夏、北風の強い冬・・・窓を積極的に開けたい人なんてそうそういませんよね?それにエアコンでせっかく暖めた部屋が冷えてしまうし、電気代がもったいない気もします。

0324時間換気について
建築基準法の改正で、平成3年よりシックハウス症候群対策の為に、原則としてすべての建築物に換気設備の設置を義務化しました。これにより、2時間に1回部屋の空気を入れ替えることが必要になりました。俗に言われている24時間換気です。
しかし実際のところ多くの方が寒いなどの理由で換気口を閉めたり、運転を止めたりしているようです。換気の必要性のある時だけスイッチを入れるという方も多いのかもしれません。
-
ポイント①)シックハウス症候群とは
むかしと違って、いまの家には化学物質がいっぱいです。たとえば、防シロアリ剤、防カビ剤、合板や壁紙の接着剤など、数え上げるのが大変なくらいです。建物の耐久性を高めたり、住まいを快適にするためのものですが、逆にこうした化学物質に過敏に反応して具合が悪くなってしまう人も出てきたのです。これが「シックハウス症候群」で、化学物質過敏症ともいいます。
-
ポイント②)症状について
空気中の化学物質が原因で、目のチカチカや鼻のムズムズ、喉のヒリヒリなどから、喘息や皮膚炎の悪化、頭痛やめまいという症状が出ることもあります。家の新築や改築後にこうした症状が出たら、シックハウス症候群か?と疑ってみてもよいかもしれません。自律神経失調症や更年期障害と思っていたのが、実はシックハウス症候群だったというケースもあります。安全な材料もたくさんありますが、現在の日本では100%化学物質のない家づくりは難しいといえますので、我々の生活にはとって換気をする必要性は高いといえます。
0424時間換気の種類
24時間換気といっても取り扱いメーカーも様々あり、
排気口にファンのついているもの、給気口にはファンはなく、開口があるだけのものもあります。(この場合風量の調整はできません)
換気方法は1種、2種、3種と3つあります。
屋外と屋内の温度差を少なく、エネルギーロスを減らし、温度と湿度の両方を調節する第一種換気のエキスパートが、熱交換型一種換気方式。単に換気というだけでなく、熱交換も行うところがミソです。

-
●1種換気
空気の取り込み(給気)・排出(排気)を同時に機械で行う。
-
●2種換気
空気の取り込み(給気)は機械換気で、排気は自然排気。
-
●3種換気
空気の取り込み(給気)は自然給気で、排気は機械排気。

給気口、排気口位置 ポイント①
換気設備は天井付近に設置されていることが多いです。(ご自分のお宅のトイレや浴室、キッチンの換気扇の取り付けられている箇所を思い出してみてください)有効に換気機能が働くのは、床上60㎝以上の場所だといわれています。
床上60㎝がどのくらいの高さかというと、大人が座布団に座った状態。テレビを見るときに床に横になっている場合は床上45㎝。歩けない赤ちゃんは床上20㎝の場所でゴロゴロいることが多いようです。
臭気や埃は重いので下に下がります。だから天井付近に換気口があっても、効率はよくありません。もちろん換気できますが、ほこりは巻き上がって、空中に広がってしまうわけです。

給気口、排気口位置 ポイント②
簡単にメンテナンスできるか?これは日々のことになるので結構重要です。給気口・排気口にはフィルターがついていますので、定期的に掃除をしないと、フィルターが目詰まりして十分な換気量が確保できなくなります。手の届きやすいところにあると忘れずにお掃除できて、清潔ですね。


05 換気量を調節できるか?
そもそも人は一日に15キロから20キロの空気を摂取します。空気は呼吸器から直接血液に溶け込み、酸素を脳や体の隅々まで運びます。だから毎日何気なく吸っているお部屋の空気って、とても大切なんです。
換気の大切さ・・・少しはお伝えできたでしょうか?
気候も少しずつ変わっていく中で、100年200年前の日本の住まいのように、すきま風が換気の役割を果たしていた時代の家づくりには戻れませんので、この時代に合った換気設備を使って、居心地のいいお部屋で快適に・健康に過ごしたいものですね。